亮の日記
今日は日曜日です。巽さんも出張から帰ってこられ、秋一さんとだんな様もお揃いで、朝からとても賑やかでした。巽さんはお仕事で外国に行っていらっしゃって、僕にもお土産を買ってきてくれました。ニューヨークに行ってたのですって。お土産は近代美術館で買ったすっきりしたデザインの時計です。一応僕は執事ですから時間は大事です。時計は持っていなかったので大助かり…と思ったのですが、お屋敷の時間はゆっくり流れるのであまり必要なかったかも…
巽さんは秋一さんには会ったことがなかったんですって。
僕がいつもの定位置で、いつでも給仕できるようにお二人を見つめていると、巽さんが悪ふざけをされて…僕は地面に倒れてしまいました…仕事があるのに同じテーブルに座らされ、僕がいたらだんな様がご機嫌を損ねるのを分かっていらっしゃるのに…せっかくのお休みなのだから、だんな様だって秋一さんと二人きりで過ごされたいはず。僕はまだそんな経験がないので知らなかったのですが、板井さんが恋人同士はいつもふたりっきりでくっついていたいのだから、お二人の視界の中になるべく入らないようにと、メイドの子達に言い含めていました。本当なら執事の僕の仕事なのですが、あまり世の中を知らない僕は板井さんから教えてもらうまで気が付きませんでした…
でも、常識で考えなくても、だんな様は秋一さんといらっしゃるときが一番楽しそうです。その辺を察するのが大人なのかな…とちょっぴり反省しました。