亮の日記
今日は朝からソワソワしっぱなしでした。
明日の秋一さんのお誕生日は、僕と一緒にデートするのですって…その事を聞いたとき、僕は一瞬ぽかんとしてしまいました。
秋一さんとデート?
一日中お屋敷で遊ぶのかな、と思ったら、一緒に、お屋敷の外に行くのだと…
今まで巽さんが何度も僕をお屋敷の外に連れ出そうとしたのだけれど、だんな様は絶対にダメだと許可してくださいませんでした。それを秋一さんは…一緒にデートさせてくれなかったら別れる…とだんな様を脅したのですって。脅したのかはともかく、あんなに頑なに拒んでいただんな様のお気持ちを変えてしまうなんて、やはり秋一さんはだんな様にとても愛されているんですね。
明日はだんな様の言いつけで巽さんも一緒なのですって。秋一さんは文句を言っていたけど、僕は嬉しくて嬉しくて…
お二人とどこへ行くのかな?お屋敷の外はどうなっているのかな?だんな様と秋一さんのお話に出てくるお店とかにも行くのかな?
僕は移動中の車の中からしか外を見たことがありませんでした。お屋敷に来てからはテレビやみんなの話で色々な物が売っているお店や学校、美術館、映画館、だんな様の会社、沢山の場所の話しを聞くことが出来ました。行ってみたいなと思っていたけど、それが叶うなんて…
秋一さんのお誕生日なのに、僕ばかりが喜んでいて良いのかな?僕なんかと一緒だと、秋一さんと巽さんに迷惑が掛かるかも知れません…迷子になったらどうしよう…と言うと、秋一さんがずっと手を繋いでくれるから大丈夫とおっしゃいました。
ああどうしよう…どうしよう…と一人で部屋の中をウロウロしていたら、巽さんがいらっしゃいました。僕はきっと緊張して眠れないだろうから様子を見に来てくれたのだそうです。今も隣で僕が日記を書くのをじっとみていらっしゃいます。今日はここまでにして、巽さんが淹れてくださったカモミールティーを頂こうとおもいます。
明日、無事にデートが成功しますように。秋一さんが僕と一緒で楽しかったと思ってくれますように。