亮の日記
今日は午前中だけ大学へ行かれるそうで、秋一さんはだんな様と一緒に朝食を召し上がりました。お天気が良かったのでお庭にセットしたら、秋一さんはたいそう喜んでおられました。お庭で朝ご飯を頂くのは初めてなんですって。僕は子どもの頃、両親と時々お庭で食事をしていたのを覚えているので、秋一さんよりちょっとだけ先輩ですね。
だんな様は無口な方だと思っていたら、秋一さんとはよくお話しをされていて、そうしていらっしゃる時のだんな様は昔のようにとても柔らかい表情でした。でも、僕が近づくとやはり冷たくなってしまわれるので、給仕をするときだけ近づくようにしました。秋一さんは僕に話しかけてくださったけれど、だんな様はそれも気に入らないご様子です。給仕は僕の大事な仕事なので、きちんとしなければいけませんよね。秋一さんへのご返事も短めにするように気をつけなければ…
今夜は秋一さんのアルバイトが終わって夜遅くだんな様と帰って来られるそうです。しばらく滞在されるかもしれないので、着替えの準備をしなくてはいけません。だんな様は僕と話すのがお嫌いなので、メイドの女の子にお買い物にいく許可を頂くように頼みました。と言っても、お買い物にいくのは板井さんで、僕は屋敷を出ることを許されていません。板井さんに頼むと余計な物まで買ってくるので心配です…