亮の日記
今日はとても貴重な物を発見しました。
板井さんの部屋には雑誌が沢山あります。料理の専門誌やレストランの紹介本など、お仕事に関係した雑誌が多く、僕も時々読ませてもらっています。今日初めて読んだ本の特集記事に、なんと、若い頃の板井さんが載っていたのです。
雑誌に載るなんてすごいです。しかも、とても大きな写真が何枚も…お客様の別荘でパーティをした時に取材されたのですって。天才シェフ、って書いてありました。僕は板井さんの料理以外ほとんど食べたことがありませんが、どれもとても美味しいです。特に、一番最初に食べたお粥のことは良く覚えています。だんな様とセックスした後に具合が悪くなった僕を優しく労ってくれたお粥で、松の実やクコの実が入っていました。
でも、あの頃は松の実とかクコの実の事を知らなくて、大きなごまとか赤いつぶつぶとか言っていた記憶があります。板井さんは世界各国の美味しい料理を作って、食べさせてくれます。お陰で僕も料理のことを沢山知ることが出来たし、色々な料理を作れるようになりました。料理のお手伝いをしていますが、少しは役に立ってるかな?レストランなどでは料理学校で学んだ人がアシスタントでお手伝いしてくれるのですって。
どうしてお屋敷で働くようになったのか聞いたのですが、板井さんは教えて下さいませんでした。僕がここに来る少し前、ここをやめようかと思ったそうです。でも、僕に餌付けするのが楽しそうだったから辞めないことにしたのだそうです。僕はすっかり板井さんのファンです。せめてだんな様に一言美味しかったよ、と言ってもらえるまで、これから先も僕にお料理を教えて下さいね。