亮の日記
お盆休みも終わり、だんな様と巽さんはお仕事に戻られました。巽さんは早速香港に出張だそうです。だんな様に代わってもらおうと画策していらっしゃいましたが、帰ってきたら僕がマッサージをして差し上げるのを条件に、渋々香港へ出発されました。
僕はマッサージをしたこと無いので、秋一さんに教えてもらわなきゃ…巽さんが帰ってくるまで特訓です。
秋一さんがくすぐったがりなのか僕が下手くそなのか、秋一さんは身体を捩って笑い転げるばかりで全然ダメです…秋一さんも僕にしてくれましたが、秋一さんのマッサージは巽さんとまた違い、時々痛かったけど、暫くすると身体がぽーっと温かくなり、とっても気持ちよくなるんです。僕も秋一さんと同じようにしているのに…秋一さんはごろごろ転げ回って笑っています…
二人でちょっと騒ぎすぎたのか、直ぐそばで本を読まれていただんな様が時々僕たちを睨むのが恐かったです。
人の身体に触れることは余り良くないことだと思っていたし、自分も触れられるのはあまり得意ではありませんでした。でも、秋一さんや巽さんの手はとても優しくて気持ちいいのです。秋一さんも巽さんも、大好きな人と触れ合うのはとても大切なことなんだよとおっしゃっていました。以前は良く分からなかったけれど、最近は少し理解できるようになりました。でもやはり、だんな様は少し恐いし、近くに寄るだけで緊張します。だんな様に睨まれたら胸の辺りがぎゅっと痛くなったり動悸がしたり、背中を向けて自分の部屋に飛んで帰りたくなります。
病気かと思って心配になりましたが、久実先生に相談すると、本当に緊張しているだけでそのうち慣れると言われました。もっと仕事が出来るようになって、自分に自信が持てるようになったら大丈夫になるのだそうです。いつの事やら…