亮の日記
先ほどだんな様が男性を連れて帰ってこられました。お二人とも酔っぱらってふらふらしていました。
お連れのかたは僕より少し年上でしょうか?溌剌とした元気な方のようです。
お二人ともソファの周りにぽんぽん服を投げ捨てるものだから、片づけるのが大変でした。
若い方は小麦色のとても綺麗な肌をしていて均整の取れた体つきで、僕はつい見とれてしまいました。
傷だらけの僕の身体とは大違いで、だんな様も愛しそうに触れていました。
僕は、あの手の優しさを知っています。大きくて温かい手。
その温かい手で頬を包み込んだり頭を撫でてもらったり手をぎゅっと握ってもらったりするのはとても好きでした。
でも、なぜお二人とも楽しそうに笑いながらセックスをし始めたのか、僕には分かりません…
僕はセックスしていると苦しくなって吐いてしまいます。いつも上手くできなくて、
刺青されたり背中の皮膚を剥がされたりして、それで益々嫌いになりました。もし、上手に出来ていたら…
天使のはねだね、ってだんな様に言われた痣も無くならなかったのかな?
そしたらだんな様も昔と同じように、僕に笑いかけてくださったのでしょうか?
僕にはわかりませんが、それでも今だんな様が優しく微笑んでいらっしゃるのを見て、良かったなと思います。