亮の日記
今朝はまた熱を出してしまいました。昨夜、心配であまり眠れなかったからだと思います。僕が心配したところで何かが変わる事なんて無いですが…熱を出して、逆に迷惑をおかけすることになってしまいました。このところ巽さんには迷惑をかけっぱなしなので、今日は看病するために会社をお休みするとおっしゃるのを必死でお断りし、その代わり久実先生に往診して頂くことにしました。
久実先生は最近とってもお忙しそうなので申し訳ないなと思ったのですが、お電話してみたら、今日は午前中だけお休みの日なので丁度良かったとおっしゃいました。
僕は昨夜思っていたことを久実先生にお話ししました。だんな様と巽さんにお話しした方が良いのでしょうけれど、お仕事の事だし、僕なんかが聞いても仕方ない事かもしれません。それに僕だって…ずっと本家の叔父がしてきたことに、何も言えなかったから…黙って見ているしかできなくて辛かったけれど、だんな様も同じ気持ちなのかもしれません。
けれど久実先生は気になったことはお二人にきちんと尋ねた方が良いとおっしゃいました。その場で答えを出してもらえなくても、いつかきっと真剣に考えて対処してくれるはずだから、と。ただ、今のお二人は立場が弱いし、本当はお二人が心にも無いことをしなくてはいけなくて悩んでいらっしゃることも考慮して、僕も心配していると言うくらいにしておきなさいとおっしゃいました。
お二人は実力があるので時期が来たらきっと全てを丸く収めてくれるのですって。それまでお二人が道を誤らないように、優しく見守って、時々は心配していると言葉をかけると良いのですって。心配事を飲み込むのは僕にとっても良くないのだそうです。昨夜のように眠れなくなり、熱まで出してしまうのですから…
久実先生とお話ししているうちに僕の熱も少し下がり、眠くなってきました。あまり沢山眠ると今夜眠れなくなるので、三時間ほど眠ったら誰かに起こして貰いなさい、と久実先生がアドバイスしてくださいました。
今日はお薬も無しです。お薬に頼らなくても大丈夫なようにしていこうね、とも…
夜、心配していた巽さんと少しお話ししました。やはり、紅宝院がしている良くないことについては今直ぐに何とかできないのですって。でも、巽さんもだんな様も決してこのままにはしておかないから見守っていてくれと…僕が見守っていることで、お二人とも強くなれるのだそうです。
だんな様にも、僕が心配していることを伝えてくださるそうです。
巽さん、ありがとう。