亮の日記
今日はとっても元気です。巽さんが出張から帰ってこられるので、腕によりを掛けて夕食を作りました。家庭料理を、と思いましたが良いお肉があったのですき焼きにしました。すき焼きにおみそ汁だとしつこいかな?と思ったので、お吸い物に変更。おみそ汁は明日の朝ごはんにすることにしました。
巽さんは夕方の5時頃帰っていらっしゃいました。午前中に帰国していたのだけれど、会社に直行して報告をし、少しだけお仕事もして早めに退社させてもらったのだそうです。
お屋敷には大きな荷物だけ午前中に届いていました。行くときはスーツケース一つだったのに、届けられた荷物はスーツケース三つ…巽さんのお部屋まで持って階段を上るのが大変で、僕の腕は明日、筋肉痛になっているでしょう。
巽さんが帰宅されてからがまた一騒動でした。増えてしまったスーツケースの中身は全てお土産で、食事の後に一階のリビングでみんなにお土産を配ったのですが…お店が開けるくらい沢山あったのです。その中にはみんなの分のお洋服もありました。どれも本格的で質が良く、今度みんなでそれを着てお茶会を開くことにしました。美味しそうな茶葉や素敵な茶器、ドライフルーツやお茶請けのおかしも沢山あったので、とても楽しみです。
僕の分のお洋服もありましたが…着るのはちょっと恥ずかしい。目の覚めるようなブルーで、僕の目の色とお揃いなのですって。紺色のブレザーと白シャツしか着たことないのでドキドキします。だんな様のは黒地に渋い色の刺繍がしてあります。きっとお似合いになって素敵だろうな…
お茶会は次の日曜日です。
仕事を終えて部屋に帰ると、暫くして巽さんがいらっしゃいました。スーツケースも一緒です。
「ちょっと良いかな?亮には別のお土産もあるんだ」
そうおっしゃって、スーツケースの中から次々とお土産を取り出されるのです…綺麗なレースや刺繍が施されたテーブルクロス、ベッドカバー、シルクのパジャマや下着まで…
「この部屋で楽しむなら迅にも見つからないし、怒られないだろう?ほら、このテーブルクロスだと部屋も明るくなる。パジャマと下着は…私とお揃い」
お揃いのパジャマは何着かありますが、下着は初めてです。シルクのアンダーシャツとブリーフは着てみたらとっても着心地が良かったです。さすが巽さん、細かいところまでこだわっているのだなと感心しました。
「これでもう少し、私のことを意識してくれるようになると良いんだが…迅には内緒だよ?」
シルクの肌触りは優しく、巽さんの声や手の感触に似ています。だんな様とはお話しをしないので知られることもないでしょう。
今夜はさっそく着て眠ろうと思います。