亮の日記

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黒大根のスープはとても評判良かったようです。だんな様が美味しいと言われたわけではないけど、お屋敷の人達はみんな褒めてくれました。僕も時々料理を作っていますが、どれを作ったとはだんな様には言わないようにお願いしています。お食事の時は、気分良く食べたいですもんね。
 巽さんは時々僕が作ったものを言い当てます。美味しいと言ってくださいますが、巽さんはお口が肥えていらっしゃるので、きっと何かが足りないと思うのですが…お優しいから不味いとは言えないのでしょう。
 
 そう言えば昨日、ネーム入りのリネンの話をしたら、巽さんがさっそくみんなの分を注文してくださったのですって。僕のパジャマとバスローブは巽さんとお揃いなのだそうです。明日には届くそうなので、とても楽しみです。巽さんに何かお返ししなきゃいけませんね…でも僕が出来る事なんて限られていて…お屋敷のみんなに相談したら、お昼のお弁当を作って差し上げてみては?と言われました。お昼は外食で、毎日のことだと飽きてしまうんですって。明日はさっそく挑戦してみます。メニューは何にすればいいのかな?和食?洋食?板井さんに相談しなきゃ…
 
 秋一さんの分も作らなくてはいけないかも知れません。巽さんと秋一さんは、なんでも一緒のことをしないと拗ねてしまわれるんです。お二人とも拗ねると、だんな様をほったらかしにして、僕の部屋でゲームをし始めるのです。せっかくお二人ともいらっしゃるのにだんな様をお一人にするなんて…僕がどうしたらがっかりしたり焦ったりするか、よくご存じなのです。だんな様は僕の部屋などにはいらっしゃらないので、お一人で先に眠ってしまわれます。お二人で酔っぱらってしまわれたらもっと大変で、板井さんに手伝ってもらってお二人を所定の位置まで運びます。
 やっぱりお弁当も二人分ですね。