亮の日記
昨夜はいろいろ考えていたらとても悲しくなって、なかなか寝付けませんでした。仕方がないのでお庭に出て散歩をしていたら、巽さんに見つかってしまいました。巽さんが、そこで待っていて、とおっしゃったので待っていたら、温かいミルクティーを淹れて持ってきてくれました。
「寝付けなくて…紅茶、ありがとうございます」
そう言うと巽さんは、そんな日もあるさ、と笑っていました。
しばらく巽さんと二人、テラスで星を眺め、その後巽さんのお部屋にお邪魔しました。まだお仕事が残っているのですって。巽さんは僕をご自分のベッドに寝かせ、その横でお仕事を始めました。眠たくなったら眠って良いし、眠られなかったらそれはそれで良いじゃないかとおっしゃって…でも結局僕は眠ってしまい、目が覚めたら巽さんが隣に眠っていました。
巽さんが起きるにはまだ早い時間だったので、一人でそっとベッドから降り、自分の部屋に帰って朝の支度を始めました。巽さんはお仕事をしていただけでしたが、誰かが側にいてくれるととても安心できて、ぐっすり眠ることができるのですね。今日はきっとお疲れになっているだろうから、何かリラックスできるお礼をしなくてはいけません。
今日一日、巽さんが喜んでくれそうな事を考えるのはとても楽しかったです。
「巽さんは亮と一緒にいるだけで幸せそうだから、うさぎのぬいぐるみかなんか買ってきて、それに亮って書いてプレゼントしたら?」
と言ったのは秋一さん。
「風呂で背中流す券とか、マッサージ券とか、肩たたき券とか沢山あげたら?」
と言ったのは板井さん。
メイドの女の子達は、亮オリジナルレシピのリラックスティーを作ってあげたらどうかと言ってくれました。これなら僕にもできそうです。そしてそのお茶は絶対に僕が目の前で淹れる、事を条件にしておくのですって。
午後から板井さんにハーブを沢山買ってきてもらって、フレッシュハーブのお茶を色々作ってみることにしました。リラックスと言えばラベンダーとカモミール。それにレモングラスを加えたものがみんなにも好評だったので、今夜は巽さんのお部屋にこのお茶を持っていくことにしました。
沢山のハーブの香りで、僕もなんだかとても幸せな気分でいられた一日でした。