亮の日記

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 今朝のフレンチトーストは美味しいと評判でした…焼き加減が絶妙だね、とか、中はしっとり外はパリッ、とか巽さんと秋一さんが一生懸命褒めて下さいました。それはたぶん…板井さんが作ったからです…と、途中で言えなくなりました。お二人とも僕が名誉挽回のために作ったと思っていらっしゃったのでしょう。でも僕は、失敗したパンでも手を加えれば美味しいものが作れると分かっていても、やっぱりパンそのものを美味しく作りたいです。それで、フレンチトーストは板井さんにお任せしました。

 昼からはまたひたすらパン捏ね修行です。隣で同じ作業をする板井さんの手元を観察しながら、生地のまとまり具合を盗み見ながら、考えながら…色々大変です。
 発酵が終わると…やっぱり膨らみ方が違います…板井さんが、パンを使ったレシピを考え始めたので、もう結果は明らかです…板井さんに頼り切りではいけないので、明日のおやつはパン・プディングにしませんか?と提案。そんなに沢山は使いませんので、残りはパン粉にしようかと思います。そうすると、夕飯はコロッケとか、揚げ物ですね。
 僕は板井さんが作るクリームコロッケが大好きです。揚げたては中の具がとろーんと溶けてとても美味しいのです。
 

 このお屋敷へ来て、僕はよく口の中を火傷しました。本家では温かい物やできたての物を食べたことがなくて…何でもぱくっと口の中に入れてしまい、大あわてすることが何度もありました。その事に気がついた板井さんは、僕が食べるときに側に来て、これは熱いから気をつけてと教えてくれるようになったのです。
 板井さんは食べ頃の料理温度も考えて給仕します。それでも熱いときがあるので、僕はちょっと猫舌気味かもしれません