亮の日記
そして今朝もちょっぴり薬膳っぽく…でもそれは僕が作った物ではありません。板井さんです。健康のためと言われるとだんな様もしぶしぶ頂かれます…これに懲りてあまり深酒をされなくなると良いのですが…巽さんはとばっちりです。
もうすぐだんな様と巽さんはお盆休みなのですって。秋一さんもバイトを休み、だんな様と一緒にご旅行されるのだそうです。といっても秋一さんはあまり乗り気ではなく、旅行などではなく、たまにはお墓参りでもすればいいのにとおっしゃっていました。とたんにだんな様の機嫌が悪くなったのですが…
だんな様が黙ってしまったので、巽さんが後から僕と秋一さんに色々教えて下さいました。
「疚しいことをしているから、亡くなったご両親に顔向けできないんだよ。私が知る限りこの10年ほど墓は放置している。もちろん、お寺では供養してくれているけれど…亮のご両親のお墓はちゃんと供養しているからね。心配しないように」
もちろん僕は一度もお墓参りなどしたことがありません。どこにあるのかも知りません。何時亡くなったのかも…僕が本家に連れて行かれる前には亡くなっていたようです。
だんな様のご両親は僕の父に殺されました。その事を考えると申し訳なくて、今すぐにでも、手をついて謝りたい。でも、だんな様とお話しすることも出来ないのです。どうやって、いつどんな言葉を掛ければいいのか…考えても答えは出ません。さぞ僕のことが憎いでしょうに…
巽さんが僕の両親のために迎え火というのをしてはどうかとおっしゃいましたが、敵の霊がこの家に来るのはだんな様に申し訳が立たないので、心の中でお祈りすることにしました。もうあまり両親の顔は覚えていませんが、近いうちに会えばきっと思い出すでしょう。そして、供養できなかったことをお詫びしなくてはいけませんね。
僕は謝ることが沢山ありすぎて大変です。