亮の日記
昨夜は巽さんがお屋敷にいたので、だんな様は少し驚いていらっしゃいました。巽さんは、
「焦らすのも手だからね」
とおっしゃっていましたが…まさか本当はデートだった、なんて事は無いですよね?僕のメールが巽さんの邪魔をしたのではないかと不安になり、慌ててしまいました。
だんな様は微かに笑顔を浮かべながら、巽さんをひっぱって自室へ行ってしまわれました。きっと巽さんのガールフレンドのことをお話しするのだと思います。僕も一緒に聞いてみたかったけれど絶対に無理なので、あとで秋一さんからこっそり教えてもらおう。
うわさ話が楽しいなんて、はしたないかな…でも、本当に僕が邪魔をしたのだったら申し訳ないから…今回はあまり煩くしない方が良いかもしれません。
今朝、秋一さんに事情を話してみたのですが、だんな様も巽さんもお仕事の話ししかしていなかったそうです。それよりも秋一さんはもうすぐ迎える誕生日が待ち遠しいようで、とても良い一日にするから楽しみにしていろとおっしゃいました。もうお強請りしたのですって。なんでも準備が大変なのだそうです。飾り付けたりするのでしょうか?とても楽しみです。僕はお手伝いしなくて良いのかと尋ねましたが、特に何もしなくて良いのですって。
でも…ケーキも料理も用意しなくて良いと…僕から料理を取ってしまうと何も残らないのに、秋一さんはニコニコしながら頭を撫でてくれました。
僕が初めてのことを沢山するのですって。
秋一さんの誕生日なのだから、秋一さんが楽しいことをすればいいのに…僕がびっくりするところが見たいのだそうです。
楽しみだけれど、不安もあります。
巽さんの事や秋一さんの事で今夜は少しだけ考え込んでしまいましたが、難しい事を考えるのは苦手なのでお二人を信じることにしました。
だって、どんなときでも、お二人は僕にお優しくしてくれたから。