亮の日記

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 今日、秋一さんへのプレゼントが到着しました。若者向けブランドの物で素材も思っていたより良く、長く使って頂けそうです。これを綺麗にラッピングして、お誕生日まで隠しておかなければなりません。秋一さんはどこへでも気ままに入ってこられるので、取りあえず今日はメイドの女の子のクローゼットの中に入れておいて貰うことにしました。さすがに女の子のクローゼットまでは無断で覗かないでしょうから…

 ラッピングはもう少し後でするとして、カードも書かなくてはいけません。お誕生日おめでとうございます、いつも仲よくしてくれて有り難う、秋一さんがずっと幸せでいられますように…書きたいことが沢山あって、まるでお手紙のようになってしまいました。
 そう言えば僕は手紙を出したことがありません。お屋敷で知り合った人にはそれこそ毎日のように会いますし、あまり会えない人というと…
 巽さんの部下の山崎さん?久見先生も時々しかお会いしませんね…お手紙を出しても良いのかな?
 メールだと気安すぎて気が引けますものね。
 お二人の住所を知らないので明日にでも巽さんにお尋ねしてみようと思います。

 だんな様は少しご機嫌が悪いようで、秋一さんともあまりお話しをしないようです。とても心配なのですが、秋一さんは放置して良いとおっしゃいました。なんでも、他の人にとってはとても簡単なことなのに、だんな様だけが頑なに拒んでいるのだそうです。お誕生日の前に喧嘩して大丈夫でしょうか…秋一さんのお強請りはそんなに難しいことだったのでしょうか?
 それとも僕がまた何かしでかしたのでしょうか…
 だとしたらどうやって謝ろう…謝ろうにもだんな様とは目も合わせられない、近くに寄ることも出来ないのに…

 もっと色々がんばって自分に自信を持てるようにならないといけません。そうしたら今よりだんな様に近づく事が出来るかもしれません。少しくらいかっこいいところを覚えていてもらいたいから…